「危険だから渡航するな」と何度言われてもシリアに行く中国人、中国大使館も「怒」―中国メディア



中国の駐シリア大使館や本国外交部(外務省)は、政府軍と反政府武装勢力の武力衝突が続くシリアへの渡航はしないよう繰り返し表明している。にもかかわらず、シリアに旅行する中国人は後を絶たず、廃墟などでの撮影を売り物にする旅行業者まで存在するという。中国メディアの参考消息は10日、大使館も「怒っている」と評する記事を発表した。

中国の駐シリア大使館は2017年11月21日、シリアへの旅行は危険が大きいとして、「真に必要な場合以外には渡航は控える」よう、表明した。その後も表明を繰り返し、1月7日には「中国国民にシリアに行かないよう改めて注意を喚起」と表明した。

中国外交部も9日、大使館による7日付の「改めて注意を喚起」の表明を、SNSを通じて発表した。同表明は、シリア国内で政府軍と反政府勢力の戦闘が続いており、政府側支配地域でもテロ、誘拐、武装勢力による強盗が続いていると説明。シリアでは中国国民個人や旅行団に対する最も基本的な安全が確保されていないと紹介した。

ところが、中国国内の旅行業者は今も、戦乱で破壊されたシリアにおける撮影を売り物にするツアーを販売しているという。

参考消息は、シリア駐在の新華社記者の話として、シリア政府は観光業が再開したと宣言したが、武力衝突は続いており、シリア当局も外国人旅行客を受け入れる能力を全く備えていないと紹介した。

中国の駐シリア大使館は2016年5月から、安全が保障されないシリアへの渡航を控えるよう警告し続けている。参考消息は現地大使館が1月7日になり初めて「改めて注意を喚起」との表現を使ったと指摘。シリアに渡航する中国人が絶えないことに対する「無力感と怒りを示している」との見方を示した。

参考消息は2017年11月にインドネシア・バリ島のアグン山が噴火した際の状況も紹介。現地の中国総領事館は9月に警告の発表を開始し、11月21日には実際に噴火が始まったことを受け、渡航についてそれまでの「注意」から「当面は渡航禁止」の表現に切り替えた。しかしバリ島に行く中国人は後を絶たず、現地の空港が閉鎖された27日には中国人1万7000人が取り残されることになった。

中国当局が発表した警告は14回に及んだ。一方で中国国内では「バリ島の火山噴火を見たい。攻略法を教えてください」などとするSNSでの書き込みがあったという。

中国の駐バリ総領事館は12月1日付で、自国民が現地に渡航して救助が必要になった場合、「発生した費用は、すべて自己負担とする」と表明した。

中国外交部領事司の郭小春司長は1月10日に行った記者会見で、2017年に海外旅行中に事故で死亡した中国人は649人、うち交通事故が169人、遊泳中などの事故が156人だったと説明。外交部と在外中国公館は世界各地のさまざまなリスクに注目しており、年間1000件以上の警告を発表しているとして、海外旅行する中国人は安全について慎重に判断してほしいと述べた。(翻訳・編集/如月隼人)



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