(朝鮮日報日本語版) 【コラム】「平壌五輪」になりかねない「平昌五輪」(朝鮮日報日本語版)



 低調な五輪チケットの前売り状況や宿泊代のぼったくり料金といった「悪材料との闘い」を繰り広げてきた平昌冬季五輪に、好材料が生じた。北朝鮮が五輪参加を決めたのだ。全世界で最も招待しにくい国である北朝鮮の出場は、五輪にとって明らかにプラス要素となる。安全面での懸念は減り、興行の追い風になることが見込まれるからだ。

 効果はすでに現れている。江原道平昌郡横渓に外国人客のための洋食レストランを開いた人は「これまで問い合わせばかりで実際に来るかどうかは悩んでいた外国人客たちが、先を争うように予約し、前金も払おうとするほどムードがガラリと変わった」と話す。

 しかし、確かめておきたいことが1つある。同じ民族が開会式の時に手を取り合って一緒に入場行進をするにしても、韓半島旗(統一旗)を掲げることを理由に太極旗(韓国国旗)を掲げるのをやめる理由はないということだ。韓半島旗と太極旗は、そして北朝鮮国旗が一緒に入場する方法もあるではないか。平昌五輪の開催者は韓国だ。

 北朝鮮に対しては同胞愛を発揮して温かく出迎えるべきだが、行き過ぎた「片思い」は周囲に不快感と虚脱感ばかりを残すことになる。昨年4月に江陵で行われた女子アイスホッケー世界選手権の時のことだ。「6・15共同宣言実践南側委員会」という団体が江原道の支援で共同応援団を結成した。

 だが、彼らは北朝鮮の試合はすべて声も枯れんばかりに応援しながら、韓国の試合に対しては「よその国の試合」見るような態度だった。北朝鮮の試合が終わり、韓国の試合が次にあってもそっぽを向き、引き潮のように競技場を去ることもあった。アイスホッケー関係者は「いっそのこと共同応援団ではなく北朝鮮応援団だと言ってくれれば、韓国の選手たちも寂しい思いをしなかったことだろう」と残念そうだった。

 再び韓国にやって来る北朝鮮応援団に対し、過度な関心が注がれることについては警戒する必要がある。一糸乱れぬ応援合戦を繰り広げる北朝鮮の若い女性応援団に、韓国人はいつからか「美女」という形容詞を付けている。北朝鮮が韓国で開催される国際大会に出場するというニュースが伝えられると、「応援団も来るだろうか」と、本末転倒な興味を持つ人もいる。

 2003年の大邱ユニバーシアード大会時、金正日(キム・ジョンイル)総書記の肖像画が描かれたプラカードが雨にぬれているのを見て泣き叫んでいた北朝鮮応援団に対し、韓国人はまるで「女性アイドルグループ」であるかのような扱いをした。南北が初めて国際大会に共同入場してから18年、応援団が初めて韓国に来てから16年という年月が経った。適切な関心はいいが、過度な幻想や執着はうんざりだ。

 15年に平昌(ピョンチャン)と平壌(ピョンヤン)を混同してしまったために、韓国ではなく北朝鮮に行って冷や汗をかいたという外国人の話は今も話題になることがある。まかり間違えば「平昌五輪」が「平壌五輪」になりかねない。

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