亡命中国人漫画家が語る「日本が“美しく”見える理由」 – 日刊SPA!



亡命中国人漫画家・辣椒(ラージャオ)「私はなぜ祖国に捨てられたのか」VOL.2

 私は2017年1月、初の著書となる『マンガで読む嘘つき中国共産党』(新潮社)を出版した。おかげさまで大好評となり、2月28日にはトークショーとサイン会を開催して頂くこととなった。

 東京大学の阿古智子教授、フリージャーナリストの高口康太氏もコメンテーターとして登壇してくださり、90人近い参加者を集める大盛況となった。日本人読者の皆さんの支持を本当にうれしく思う。

 席上、阿古教授から次のようなコメントが寄せられた。彼女の友人から私の著書への厳しい批判だという。

 私の著書は中国を批判する一方で日本はすばらしい民主主義国だと絶賛しているが、日本にもさまざまな政治問題があるというのに無批判に称賛するのはいかがなものか、という内容だ。

 確かに日本では言論の自由をめぐる環境が悪化しかねないという懸念が広がっているようだ。

 国際NGO「国境なき記者団」が発表した「報道の自由度ランキング」では、特定機密保護法の成立を受け、日本の順位は11ランクダウンの72位に低下した。政府権力の拡大を抱く人々は安倍政権を強く批判している。この懸念は私もよく理解できる。政府権力が極限にまで肥大した恐怖をよく知っているからだ。

私の目に日本が「美しく」見える理由

⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1322729

亡命中国人漫画家にとって「日本が“美しく”見える理由」 一方で私がなぜ日本のすばらしさを強調するのか、その理由も知っていただければありがたい。会場では次のような比喩で私がなぜ日本を「美化」するのか説明した。

 北朝鮮から中国に逃げ延びた脱北者にとって、飢餓と死の淵から脱出した脱北者にとって、中国はすばらしい国だろう。習近平にどんな問題があるとしても、金王朝が支配する北朝鮮よりはよっぽどましではないか、と。中国人が政府に文句を言えば、「中国はもう十分いい国なのに! なんで習近平に文句を言うの!?」と怒り出すかもしれない。

 私もこの脱北者と同じだ。北朝鮮と同じ全体主義国家の中国から日本にやってきた。物質的条件には恵まれているが、それ以外の点では北朝鮮と中国はさほど変わらない。だから私にとって日本はすばらしく、美しく見えるのだ。

 「報道の自由度ランキング」で日本は72位に転落した。当然、懸念すべき問題だろうが、中国の順位をご存知だろうか。

──176位。

 下から数えて5番目だ。

 中国は今なお言論の自由という面では暗闇の中にある。国際NGO「フリーダムハウス」が発表した世界のインターネット自由度のランキングでは65か国中最下位だ。



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