米国の通商攻勢にブレーキか…WTOが「鉄鋼反ダンピング紛争」で韓国に軍配(中央日報日本語版)



鉄鋼製品をめぐる韓国・米国間の反ダンピング紛争で世界貿易機関(WTO)が韓国に軍配を上げた。今回の判定で韓国鉄鋼製品の輸出価格競争力が高まる可能性が大きくなった。さらに米国の保護貿易主義の流れにもひとまずブレーキがかかる見通しだ。

産業通商資源部によると、世界貿易機関(WTO)は15日、米国が2014年に韓国産油田用鋼管に賦課した反ダンピング関税措置はWTO協定違反という内容を含むパネル報告書を公開回覧した。米商務省は2014年7月、韓国産製品が過度に低い価格で輸入されていると判断し、現代製鉄、ネクスチール、セア製鋼などに9.9-15.8%の反ダンピング関税を賦課した。続いて昨年4月にはダンピング率を最高29.8%に上方修正した。油田用鋼管は原油・天然ガスなどのボーリングに使われるパイプ。北米シェールガス開発ブームなどで需要が増えた。

韓国政府は2014年12月、韓国産油田用鋼管に米国が高率の反ダンピング関税を賦課した措置をめぐりWTOに提訴した。WTO紛争解決パネルは、米国がダンピング率を算定しながら韓国企業の利潤率でなく多国籍企業の高い利潤率を使ってダンピングマージンを上方修正したのは不当な措置だと判断した。WTOはすべての部門で韓国に有利な判定をしたわけではない。韓国企業に意見提出機会を提供しないなど米商務省の反ダンピング調査過程で韓国政府が提起した部分に関し、WTOは韓国の主張を受け入れなかった。

しかしWTOのパネル報告書の内容通りに確定すれば、米国は反ダンピング関税賦課措置を撤回しなければならないというのが政府の判断だ。ただ、直ちに米国が反ダンピング関税賦課を撤回する可能性は高くない。米国が今回のパネル判定に対して上訴する可能性が高いからだ。米国が上訴すればWTO上級委員会が結論を出すまで最長2年かかるというのが政府の判断だ。WTO協定上、パネル報告書の回覧後60日以内に上訴が可能で、上訴の結果は約3カ月後に出る。しかし最近はこうした期限が守られない雰囲気だ。

韓国産洗濯機に反ダンピング関税を賦課した米国の措置に対して韓国がWTOに提訴しながら生じた韓米間の「洗濯機戦争」の場合、WTOパネル判定が昨年3月に出て、米国の上訴による結果は昨年9月に確定した。チャン・ジョンジュ産業部通商法務化課事務官は「最近はWTO紛争解決過程が非常に長くなる傾向」とし「政府は状況を眺めながら米国に対してWTOの判定を履行するよう促すだろう」と述べた。

今回の措置で油田用鋼管に対する反ダンピング関税が消えれば、米国など各国の貿易障壁に苦しんできた鉄鋼業界には追い風となる。油田用鋼管製品は国内の需要がなく、生産量の98%を米国に輸出する。それだけ米国市場が絶対的だ。今年1-9月には8億2400万ドル(約933億円)分の韓国産油田用鋼管製品が米国に輸出された。さらに今回の判定が米国など主要国の保護貿易措置を牽制する役割もすると、政府は期待している。

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