韓国の成長見通し3.2%に引き上げたIMF、遅い労働改革に警告(中央日報日本語版)



国際通貨基金(IMF)が今年の韓国の経済成長見通しをこれまでの3.0%から3.2%に上方修正した。ただし持続的成長のためには労働改革など構造改革が必要だと注文した。特に成長の勢いが良い時が構造改革の適期という点も強調した。

タルハン・フェイジオールー団長らIMF年次協議団6人はこの2週間にわたり韓国政府官庁と研究機関を視察した後、14日に政府ソウル庁舎でその結果を発表した。韓国経済に対する短期見通しは改善した。先月10日に2.7%から3.0%に成長見通しを上方修正してから1カ月ほどで0.2ポイントさらに引き上げた。北朝鮮の核リスクなど地政学的緊張状況を克服するほど景気が強い回復傾向に乗っているという判断からだ。

IMF協議団は発表文で「情報通信(IT)と建設部門を中心に投資が拡大しており、世界的な半導体需要増加で輸出も好調を示している」と明らかにした。続けて「経済成長率には満たないが民間消費が7-9月期に入り改善された」と診断した。こうした状況が10-12月期も持続すれば今年3.2%の成長率を達成するだろうという説明を出した。

協議団はこれまでの来年の成長見通しの3.0%は修正しなかったが、これを上回る可能性があると予想した。フェイジオールー団長は「内部的に(2018年の成長率も)3.2%にすべきではないのかとの意見が出された。不確実性はあるが今後上方修正される可能性はある」と話した。来年成長を牽引する要素では民間消費振興を挙げた。フェイジオールー団長は「最低賃金引き上げなど政府の消費振興と雇用創出政策が2018年に効果を現わせば経済成長率はさらに高くなるだろう」と話した。

だがこれを構造改革の機会にしなければならないというのがIMFの忠告だ。協議団は「現在の成長傾向は積極的な構造改革を推進する機会を提供する。雇用増大と生産性向上に政策の優先順位を置かなければならない」と明らかにした。

IMFは「労働生産性が米国の50%水準にとどまる状況で雇用規模と生産性を増やさなければ持続成長は不可能だ」と指摘した。潜在成長率は1990年代初めの7%と比較して半分以下に落ちたが人口の高齢化により生産性下落は簡単には克服できないということだ。潜在成長率は国の経済が物価上昇負担なく最大限成長できる水準をいう。7月に韓国銀行は2016~2020年の韓国の潜在成長率を3%に満たない2.8~2.9%と推定した。

協議団が提示した最優先政策課題はまさに労働市場改革だ。フェイジオールー団長は「韓国の労働市場政策の根幹として『柔軟安定性(flexicurity)』を導入しなければならない」と勧告した。労働市場の柔軟性(flexibility)と安定性(security)を同時に確保するようにとの注文だ。具体的な案としては▽正規職に対する柔軟性拡大▽強力な失業セーフティネット構築▽積極的政府介入――を提示した。オーダーメード育児支援、保育手当て増加など女性の労働市場参加拡大も主要課題だ。

しかし現政権の労働政策は安定性に傍点をつけている。容易な解雇を規定した政府指針の廃棄、非正規職の正規職転換、最低賃金引き上げなどが代表的例だ。釜山(プサン)大学法学専門大学院のクォン・ヒョク教授は「文在寅(ムン・ジェイン)政権は現在の労働市場の問題点が非正規職の乱用など過度な柔軟性で引き起こされるとみている。大きな方向は正しいが雇用安定性にばかり重点を置けばややもすると労働の硬直性につながりかねない」と警告した。解決法のカギは労使政大妥協だ。協議団は「柔軟安定性概念の導入において最も重要なのは信頼構築。社会的対話がとても重要な役割をする」と付け加えた。IMFは二極化と不平等、失業問題解決のために韓国政府が今後積極的な役割をするよう注文した。フェイジオールー団長は「韓国は債務持続可能性に対するリスクなく十分な財政余力を保有している。通貨政策は引き続き緩和的な基調を維持しなければならない」と話した。

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